Dr 奈美 の 「加齢黄斑変性」 について

「加齢黄斑変性」って聞いたことがあるけど どんな 病気?
寒さがどうやら今シーズンのピークを迎えているようですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
今回は黄斑疾患のなかでもご相談の多い加齢黄斑変性についてお話ししたいと思います。
「加齢黄斑変性」って名前だけでも聞いたことがある方は多いのではないでしょうか?
最近特にニュースや健康番組でも取り正されていますよね。
そう、IPS細胞のからみのニュースでも聞くことが多い疾患の名前です。
この病気は、眼球の底の部分、つまりはちょうど眼底の真ん中にある「黄斑」が「加齢」によって「変性」することで起こる病気です。(そのまんまですが)
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原因としては、加齢、喫煙、食生活の欧米化があげられ、症状はゆがみ、みようとする中心部が見えにくいといった訴えが多いです。
ひと昔前まではこの疾患の治療法はなく、何か合併症が起これば手術などの対処療法をしていくことが主流でした。
ですので、視力がどんどんと落ちていくのを診ていくことしかできなかったのですが、ここ数年で抗VEGFという注射(ルセンティス、アイリーア、マクジェン)が登場して以来、視力を改善、維持してくことが可能になったのです(眼底の状態によります)。
加齢黄斑変性は、大きく言うと眼底の黄斑部に出てきた異常な血管が悪さをすることで起こってきます。
それを促すのがVEGFと呼ばれる物質になるのですが、これがどんどんでてくることでどんどん異常血管が悪さをしますので、VEGFを抑えなければなりません
。これが抗VEGFです。
これは眼内での話になりますので、眼内に抗VEGFを届けてあげなくてはなりません。
点眼や内服、点滴ではなく治療法は抗VEGFを眼内に直接注射で入れることになります。(硝子体注射)
そしてこの注射は永遠に眼の中に抗VEGFを残すわけではなく、一定の期間(薬剤によって違います)経つと眼内からはなくなってしまいます。
ですので、また病気がぶり返してくることが考えられます。
その場合再度注射がいるわけです。根気よく治療を続けることがとても大切になってきます。
予防として、ビタミンB、C、カロチン、亜鉛などのサプリメント、禁煙、緑黄色野菜の摂取があげられます。
食べるのであればお肉よりも、お魚のほうがいいともいわれています。
要は、昔の日本人の食生活がいいということです。
気になるけど、眼科へ行くのはちょっとと思われる方。
まず視力が出ているかどうかを眼鏡店でチェックしてもらってはどうでしょうか。
視力が出ていれば、この疾患に限らず心配事は減ります。
そして、おうちでできることとして、障子などの格子状のものを片眼づつ見て歪んで見えないかどうかをチェックしてください。
まっすぐクロスしていれば大丈夫。歪んでいれば何か黄斑部分に病気が隠れている可能性もあります。(黄斑部の疾患は似たような症状がでます)
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長くなりましたが、読んでいただいてありがとうございます。
少し難しい内容になってしまいましたが、いかがでしたでしょうか。
ご不安な方は、一人で悩んでおられずに早くに眼科受診してくださいね。