補聴器の供給にはまじめな取り組みと信頼関係が欠かせない。
私が店を初めて間もない頃の事でした。当時、身体障害者福祉法(現在は自立支援法)による補聴器の給付事業がありました。聞こえの悪い事が、まだまだ“悪”の様に言われる時代でした。難聴者の世話をしている方が、「私は仕事で大阪によく行くので、そこの専門店で補聴器の相談や購入は出来るが、こんな山の中には相談できる専門家がいない。君が本当にまじめに面倒を見てくれるなら、補聴器で困っている人を紹介するからどうだ」と声を掛けていただきました。当時、補聴器は給付で貰っても上手く使えず、床の間の飾りになる事が多くありました。
私の父親も補聴器を着けており、もっとよい聞こえを提供してあげたい との思いから、始まったばかりの第2回目認定補聴器技能者の資格試験に合格し、修理や販売をさせていただき、休日や仕事を終わってから、丹波、丹後の山の中を走り回りました。いろんな方との関わりから貴重な体験をたくさんさせていただきました。
現在、お世話になった業界に少しでもお返しが出来ればとの思いから、日本補聴器販売店協会の近畿支部長や認定補聴器専門店(現在、約600店)の審査員として全国の認定補聴器専門店の審査に行かせていただいております。
認定補聴器技能者は全国で2720名(2014年5月」1日現在)、京都府では42名で、当社には私を含めて5人が在籍しております。
補聴器を上手く使いこなすには専門技術者が専門設備を使って、補聴効果の測定やフィッテイングを行う事が、信頼関係に欠かせません。