エピソード 期待の新店舗「台風直撃」

「メガネ・補聴器を通じて、豊かな生活に貢献したい」という思いを、但東町と出石町のお客様にも、体験していただきたく、平成16年秋、豊岡市出石町に新店をオープンすることになりました。

店舗建設は予定通り順調に進行、建物の引き渡しも済み、あとは、商品や機材の搬入を残すのみとなっていました。ところが、忘れもしない10月20日、あの台風23号が当地方に向かってきました。

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夢は希望ではなく、川の水で満ち溢れるだなんて!

あちこちで大きな被害をもたらしたその台風は、出石町にも例外なく大雨を降らせ、新店舗近くの「出石川」を氾濫させました。その水は、堤防を乗り越え、道路を冠水させ、とうとう我が店舗までその水位を上げてきました。

どんどんと水かさは増し、駐車場は見る見るうちに狭くなり、とうとう玄関先まで、浸水してきました。タオルやバケツを持って待ち構えていましたが、あれよあれよという間に、とうとう店内入口の自動ドアまで水が溢れてきました。

「あ~ なんて日だ!期待を込めた新店舗が、夢や希望でなく、川の水で満ち溢れるだなんて!南無さんだ~」

頭を抱え、思わず目をつぶってしまいました。

店内への浸水は…

10秒ほど経ったでしょうか。ふと目を開けると、なぜか先ほどと同じ位置までしか水は来ていませんでした。それどころか、なんと少しずつ下がってきているようでした。神様(南無さんだから仏様かな)にお願いしたせいでしょうか、店内への浸水はわずか10cm位絨毯(じゅうたん)を濡らした程度で済みました。これは、「ここの人々のために、頑張ってメガネ屋をやりなさい」というメッセージに思えました。

台風の災害でメガネを無くされた方に

台風一過の後、私はメガネの修理道具と、既製の老眼鏡を車に積めるだけ積み込み、災害でメガネの修理が必要な方には修理を、紛失された方には無料でお配りさせていただき、お力添えをすることができました。

この出来事は、冒頭に述べた「メガネ・補聴器を通じて、豊かな生活に貢献したい」という思いを、オープン前から叶えさせてくれた、貴重な体験となりました。「雨降って地固まる」とよく言いますが、私の「この地域でお役に立ちたい」という決意も、大雨の分、強く固まった次第であります。