白内障について (眼科専門医 小長谷 奈美 先生のブログ)

こんにちは。

今回は白内障について説明します。少し専門的になりますが、お付き合いくださいね。

白内障は、水晶体が加齢や全身の病気や目の病気、点眼、内服薬、外傷など色々な原因により濁ることにより起こります。

少し専門的になってしまいますが、濁っている部分での分類分けをすると
①核白内障:水晶体の核部分(中心)が硬くなった状態
原因:強度近視、網膜硝子体手術後など
②皮質白内障:水晶体皮質繊維の方向に沿って濁った状態
原因:加齢、糖尿病など
③後嚢下白内障:後嚢部分(後ろ)が濁った状態
原因:加齢、糖尿病、ステロイド内服、放射線治療後など
④前嚢下白内障:前嚢部分(前)が濁った状態
原因:アトピー、ぶどう膜炎後など

この4つにわけられます。
組み合わさっている場合も多々あります。
眼科で、「あなたは◯◯白内障ですね」と上記の分類分けで詳しく言われる事はあまりないかもしれませんが、手術時の事を考えて眼科医は常にどの状態かチェックしています。
手術自体はいずれであっても方法はほぼ同じですので、手術をされる方は安心して眼科医に任せてくださいね。
白内障は、水晶体の濁りによって見えにくい状態になりますので、点眼や内服薬でこの濁りをとることはできません。
このため、治療方法は手術のみになります。
以前と比べて、機械の改良もあり白内障の手術はかなり安全になりました。
とはいえ、合併症がゼロになった訳ではありません。
白内障手術を考えておられる方は、眼科医に是非ご相談されることをお勧めします。
白内障と思い込んでいて、全く違う病気が隠れている事もありますので、自己判断はせず視力が眼鏡で出ない時は眼科を受診してくださいね。
最近めっきり朝晩の冷え込みが強くなってきましたね。
梨狩りに行きたかったのですが、もう遅いかな…と諦め気味な今日この頃です。
みなさまも風邪などひかれませんように。